3つのエコセーズ
―3 カラーズ―
金と銀の特別
いろんな色の中に金色と銀色が一つずつ
絵の具にも一つ
くれよんにも一つ
折り紙にも一つ
星やメダル
リボンにも一つ
ぼくはそれを見つけると
いつも使わずにとっておいた
金色と銀色
特別な色
お金にも金貨と銀貨があって
ぼくは古い金貨と銀貨を1枚ずつ持っている
お金があれば何でも買える
お金って特別
お金って不思議
お金って変だ
誰が決めたの?
お金に価値があるなんて
金と銀が特別だって
誰が決めたの?
天と地を
誰が決めたの?
善と悪
お金があれば偉くって
お金がなければ貧乏で
誰が決めたの?
その価値を
僕は数字で数えない
換算できないその価値を
僕は心で数えない
愛の重さを数えない
金色と銀色
どっちが偉い?
金色と銀色
どっちがきれい?
ぼくは並べて考えた
金色と銀色
どっちの心が美しい?
金の箱には真実の鍵を隠し
銀の箱には偽りの夢を沈めた
金色のハートと銀色のロケット
金貨で愛は買えなくて
銀貨で夢は見れなくて
金の髪と銀の髪
金の指輪と銀の鎖
金色になれなくて
銀色に塗った
金は太陽
銀は星
ぼくは金色になれなくて
貴方の銀色に憧れた
金色の砂と銀の雪
金の夢想と銀色の孤独
それはきっと
偽りでもなく
お金でもなく
遊戯でもない
尊い色
金の髪と銀の髪
憧れと憧れ
貴女と貴方
金色と銀色
ぼくと僕
秤に掛けた
君と僕
金色と銀色
特別な
僕にとっては唯一の
金色と銀色
それはやっぱり特別で
いつまでたっても特別で
しまっておきたい遠い色……
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