HANS
―闇のリフレイン―


夜想曲6 Jugend

5 括られた炎


そして、月曜日。夜10時にハンスが集合場所に行くと、龍一だけが待っていた。
「直人は?」
「今日はまた、臨時の職員会議が入ってしまったとかで、30分くらい遅れますって……」
「アキラもいないけど……」
「もうすぐ中間テストがあるので、平河先輩達と勉強しています」
「ふうん」
歩道は少し罅割れていた。ハンスはそれが気になっていた。どこか不穏な感じがしたからだ。闇はどこにでも入り込む。そして、人々が気付かない間に浸食する。その黒い筋は生き物のように歪み、毒を含んでこちらに向かって這って来た。
「龍一、下がって!」
それは二人の眼前で頭を擡げ、蛇のように身体をくゆらせた。それは明らかに能力者が関与し、操る闇の風だった。
「誰だ?」
鋭く言うハンスに向けて、風の鞭が唸りを上げる。
「無駄だ」
ハンスがその先端を掴むと、鞭は手の中で砕けて散った。

「ふっ。さすがだね。民の落とし子は、これくらいの事じゃ驚かないか」
切れた街灯の影から姿を現した男が言う。
「君か。いったい何の真似だ?」
ハンスが言った。そんな彼を見て、龍一が意外そうな顔をする。
「この男の事をご存知なんですか?」
「ええ。浅倉茂。また僕と遊びたいですか? でも、僕は今、大事なお仕事の最中なんですよ。君と遊んでいる暇はありません」
ハンスは自分も闇の風を細く裂くと鞭のように撓らせた。
「遊び? 俺はその仕事のアシストに来たんだがね。直人の代わりに」
浅倉が言った。切れた筈の街頭が一瞬だけ光を帯びる。

「でも、先生は……」
龍一が不安そうな目を向ける。
「直人の事がそんなに心配なの? 龍一君。嬉しいね。俺も心配してるんだ」
強張る少年の眼前に再び風の鞭を伸ばす浅倉。それを、ハンスは自分の鞭で叩いて散らす。
「子どもを怖がらせるのが趣味なんですか?」
「あんただって同じだろ?」
「僕は大切にしているですよ」
「俺だってそうさ。特に気に入った奴には……」
周囲で渦巻いているのは闇の風。海からも陸からも疎まれて行き場を失くした思いが遠い夜汽車の轍を踏む。

「そもそも俺がナザリーに奴の情報をもたらしてやったんだぜ」
続く沈黙を破るように浅倉が言った。
「奴って?」
ハンスが訊いた。
「浅葱(あさぎ)」
「浅葱……。それがその能力者の名前なんですか?」
ハンスが復唱する。それは二人の知らない情報だった。
「奴はもう壊れてる。だから、木ノ花会からも見捨てられてる。それで、奴はやりたい放題やってるって訳さ」
「よくわからないな。浅葱は何故そんな能力を使えるの?」
ハンスが疑問を口にする。
「さあな。俺が知る限り、そんな能力者はいない。浅葱は特別なのかもしれない。そうでなければ、強い風の能力者が壊れちまうとああなるのかも……」
「見た事があるんですか?」
龍一が恐る恐る訊く。
「それは君が一番良く知っているんじゃないのかい? あの病院の火事でさ」
「やっぱり、あなたがやったんですか?」
風に吹かれて少年の着ている服や髪が波打つ。

「おいおい、龍一君、質問の主旨から逸れてるよ」
男が前に出ると、背負った影も広がった。
「ぼくは貴方が病院に火を付けたと思っていました」
握った手が微かに震える。
「やれやれ。俺の嘘を信じたのかい? それとも、直人がそう言ったのかな?」
少年は黙って唇を噛んだ。
「いいよ。俺は否定しない。だが、今おまえ達が追っている男とは違う。それだけは伝えておく」
周囲には、いつになく潮の香りが立ち込めていた。浅倉の影は隣に建つ高いビルの影に溶け、威圧的に見えた。ハンスはそのビルの隙間から覗く月を見ていた。
「じゃあ、病院をやったのはその浅葱って人なんですか?」
湿った風が身体と心を重くしていく。
「そいつは何とも言えないな」
浅倉が曖昧に笑う。その時、頭上の月に影が掛かった。
「逃げろ!」
ハンスが叫ぶ。次の瞬間、高いビルの屋上から渦巻く弾丸のような炎が地上に突き刺さるように落下して来た。ハンスは龍一を抱えて跳び、浅倉は建物の中へと飛び込んだ。

「浅葱か?」
ハンスが訊いた。が、返事はない。炎の中から男の影が揺らめいた。散った火の粉が花壇と植え込みの木をちりちりと焦がしたが、男の周囲の火は消えている。
「待て!」
駆け出した男のあとをハンスが追う。
しかし、男の影は何処にもなかった。見通しのいい道路の左右や建物の間や入り口、そして頭上も注視して見たが、まるで気配がなかった。浅葱の姿は闇に溶けてしまったように消えてしまったのだ。
「どういう事なんだ?」
辺りは静寂に満ちていた。通る車の影もない。
「逃げられた? でも……」
ハンスは足を止め、周囲を観察した。が、いくら耳を澄ましても、目を凝らしても、闇は動く気配はない。
引き返して見ると、浅倉の姿も消えていた。男が避難した建物の中はしんとしていた。
(浅葱を追って行った様子もなかった。なら、何処に?)
周囲にはもう炎はなかったが、焦げた臭いだけが漂っていた。
足元を見ると、埋め込まれたタイルがモザイクのように敷き詰められていた。見ると、その先に龍一がしゃがみ込んでいる。ハンスはゆっくりとそちらに向かって歩き始めた。タイルは途中から縞模様となり、濃い色と薄い色とが組み合わされて長く続いた。それは、ピアノの鍵盤に似ているとハンスは思った。彼は黒鍵の上を選んで渡った。

「君、浅倉の事が怖いんですか? それとも火が……?」
ハンスが話し掛ける。少年は黙って俯いていた。風は湿って重かった。
「応えられませんか?」
ハンスの耳の奥では、反復する何かの音が響いていた。それは、よく知っている音だった。
その曲を誰かが弾いている。
(エチュード……)
ハンスは思わず自分の左手を見た。そこにあった筈の包帯はなく、甲には薄い十字の傷が見えた。その手にまだ包帯が巻かれていた頃、音大でレッスンをした。その時、井倉がその曲を弾いたのだ。その日もその学生は緊張していた。指は硬く、汗を掻いて何度か黒鍵から滑り落ちそうになっていた。演奏は荒削りで精度が足りなかった。が、ハンスはCという判定を下した。
(表現がいい)
あと少しで何かが掴めそうだった。だが、それを直接手渡してやる事は出来なかった。ただ、ヒントを授ける事なら出来るだろうと確信していた。彼は目の前の龍一に視線を戻した。
(この子達はどこに行こうとしているのだろう?)
若者達は見えない闇に怯え、未だ目を閉じたままでいるのだ。

「……あの男、ぼくは信用出来ないと思います」
唇を噛むように龍一が言った。
「今までにも何度もぼくや先生を挑発して来たんです。きっと今度だって……」
味方のような事を言いながら、自分達を欺くかもしれない。あるいは、浅葱と結託して何かを起こそうとしているのかもしれないと龍一は主張した。が、ハンスはじっと動かず歩道の向こうの闇を見ていた。
「それに……お父さんの病院が火事になったのだって、きっとあいつのせいなんだ!」
握った拳に涙が落ちる。
「怖いですか?」
龍一が頷く。それから、静かに首を横に振った。
「ぼくは真相を知りたいんです」
「真相? それは、誰が病院に火をつけたのかという事ですか?」
「それもあります。でも……。もっと深い何か……あの時、ぼくが見た闇の風はそれだけじゃなかった。逃げるためにどかした古い書類の中に名前や連絡先が黒塗りされた物が何枚も混じっていたんです。その時には不思議に思わなかったけど、そこにも闇の風を感じた。あの病院には何か秘密があったのかもしれないって思うんです」
「なるほど。風を見る者か。君もまた、何かに括られている者なのかもしれませんね」

二人の間を風が吹き抜けて行った。駐車場には何台かの車が停まっていた。その脇には小さな植え込みがあり、草が生えていた。その向こうにも闇がある。ハンスが首を巡らすと、気配は消えた。浅葱か。あるいは浅倉だったかもしれない。しかし、ハンスは追わなかった。代わりに白い小さな花を見つけた。
(月見草だ)
しかし、ここは画廊で見た絵の構図とは違っている。
(あの花も散ってしまうのだろうか。夜が明けたら……)
警笛が鳴っていた。夜になると遠くの音が響いて来る。目の前の道路をバイクが過ぎ、乗用車も何台か走り去った。
「ところで、龍一。体育祭の練習はもうしないんですか?」
思ってもみない質問に少年は戸惑いながらも、本番は金曜日に行われたのだと答えた。
「何だ。じゃあ、もうみんな揃って行進はしなくなったですか?」
龍一が頷く。
「それでもまだ、旗はポールに括られているんですね」
「は…い……」
校旗の事だろうと思って龍一は答えた。

その時、夜空に火柱が聳え立った。
二人は急いでそちらに向かった。近づくにつれ、空気中の温度は上昇し、人や車が多くなった。海辺のマンションで爆発が起きたのだと人々は口にした。駐車場では車が燃え、マンションの硝子が砕けて落ちて来た。その硝子片を風が撒き散らしている。少年の脳裏に一瞬、浅倉の顔がちらついた。
「いやだ!」
龍一が頭を庇う。
「大丈夫ですか?」
ハンスが少年に纏わり付いて来た火の粉を払う。
「あいつはやっぱり信用なんか出来なかったんだ……!」
少年は怒りと恐怖に震えていた。その時、車のガソリンに炎が引火し、爆発が起きた。四散した炎が怪物の手のように伸びて来る。近くにいた子どもが巻き込まれそうになった。ハンスは風の力を使って炎を吹き飛ばした。

「火が……」
少年は竦んで動けなかった。
「龍一、任務です。君はこの子を連れてさっきのビルに逃げてください」
ハンスが爆発の中から守った子どもの手を握らせて言った。
「でも……」
龍一が口籠もる。
「いいですか? 龍一、これは重要な務めなんです。子どもの命を助ける事。そして、僕か直人が行くまでそこにいてください」
強い口調でハンスに言われ、龍一は深く頷くと、ぎくしゃくと子どもの手を取り、元来た道を戻って行った。
「それにしても随分と派手にやらかしてくれたな」
彼は不平を言った。今日はハンス達B班のみの担当の日だったからだ。
「ま、いいけどね」
途中で何人か逃げ遅れた人を救助し、現場へと急いだ。最初の爆発が起きてから4分。濛々と立ち込める煙の中、消防車のサイレン音が近づいて来る。頭上では救助のヘリコプターが作業を始めていた。
「操縦してるのはマイケルか。随分手回しがいいじゃないか」
そこからロープで降りて来るロバートを見て呟く。


炎は舐めるようにビルの側面を上っていた。しかし、裏手の方にはまだ火が燃え広がっていない。探していた人影はそこにあった。
「浅葱は?」
ハンスが訊いた。そこにいたのは結城と浅倉の二人だけだった。
「遅いな。あいつなら、俺が片付けたよ」
浅倉が闇の鞭を振り回して言う。
「片付けた? 信じられないな」
ハンスが結城を見つめる。
「確証はありません。奴は炎のビルの中に飛び込んで行ったのです」
結城が言った。
「奴は自ら燃えてしまったんだ。真っ黒に炭化して崩れて行くのを見た」
にやにやしながら浅倉が言う。
「しかし……」
結城は納得していないようだった。

「あは。発火能力者の身体が燃える? それじゃ、能力を使う度に焼死だね。焦げると癌になりやすいんだよ。でも、死んでるんなら、どっちでも同じか」
ハンスがくすくすと笑う。
「冗談でもそんな言い方……。現に今も被害が出ているのに……」
結城が渋い顔をする。
「それは、おまえにも責任があるだろう? 直人。おまえが止めたりしなければ、もっと早く決着が着いたんだ」
浅倉が言う。
「おまえが挑発しなければ、奴は炎を放出する事はなかった。こんな被害を出す事もなかったんだ」
結城も言い返す。
「いや、俺がいたから、これくらいの被害で済んでいると言って欲しいね」
表通りでは車の往来が激しくなっていた。避難者の誘導が進み、駆け付けた消防車によって放水も始まった。

「二人共、何故嘘を言うの?」
煙の流れを目で追っていたハンスが訊いた。
「何故そう思うのです?」
結城が問う。
「浅葱は死んでいないし、直人君は今日遅れた理由は職員会議なんかじゃなかった。そうでしょう?」
彼の言葉に結城は驚き、浅倉は声を上げて笑い出した。
「へえ、大した洞察力じゃないか。だが、おまえ達がやって来た事は逆効果だったんだぜ。逆に浅葱を刺激してしまった」
男は得意そうに喋り続けた。
「俺は奴から闇の民の子どもの情報を訊こうとした。結局は逃げられたがね」
浅倉は弄んでいた鞭を風に還して言った。
「僕を試すなんて悪い子ですね。それで、直人君は今夜、ルド達と何をしてたの?」
「どうしてそれを?」
「駆け付けるのが速過ぎるでしょう? 僕達だけじゃ心配だったの?」
ハンスが上空を示して言った。そこにはヘリコプターが2機。救助活動を行っていた。

「別に騙していた訳ではありません。情報が入ったのです。それで、範囲を絞って捜索しようという事になったんです。被害を出さないために……」
その表情に苦渋の色が浮かんでいた。
「なるほど。逆効果だった訳か」
「ところで、龍一は? 彼は何処にいるのです?」
姿が見えない少年の身を案じて結城が訊いた。
「それはね」
ハンスがそう言い掛けた時、いきなり地面を這うように炎が彼らの足元を擦過した。
「……!」
3人がそれぞれの方向に跳ぶ。死角になったビルの影に潜んでいた男が姿を現した。
「浅葱!」
男が放った風と炎を結城は光のタクトで払い、浅倉は闇の鞭で寸断した。そして、ハンスは風のマントで男を包み、拘束しようとした。が、浅葱はその風を突き破り、炎を放出した。

「危ない!」
結城が炎を薙ぎ払い、ハンスの服に付いた火を消した。間髪入れずに浅倉が鞭で男に襲い掛かる。しかし、浅葱はそれを余裕で躱すと闇に紛れた。
「僕が行く! 君達は人々の救助を!」
ハンスはそう言い残すと自分も闇に消えた。ばら巻かれた炎が隣のビルにも広がっていた。
「あいつに任せて大丈夫なのか?」
浅倉が皮肉な笑みを浮かべて言う。
「任せるしかないだろう。今は救助が優先だ」
結城は助けを求める声の方へ駆けて行った。


その頃、ハンスは現場から離れた裏通りで浅葱を追い詰めていた。男の足はふらついていた。力を放出し消耗していたせいかもしれない。それでも浅葱は抵抗し、闇の風を放って来た。表通りを行く消防車のサイレンが何重にも谺している。
(まずいな)
そこは龍一を待たせていたビルの近くだった。建物を渡る風は邪悪なにおいを含んでいる。浅葱は宙を飛び、風は螺旋を描いて絡み合い、ハンスが撃った風の弾丸を難なく弾き飛ばした。闇の中、月光に照らされて影が舞う。
駐車場に停まった車のミラーが男の影を捕らえる。
「こんな事して、どういうつもりなんだ?」
バランスを崩した男を組み伏せたハンスが言った。
「俺は……」
左手が男の首を締め付ける。男の表情は読めなかった。が、闇の中に潜む別の目がある。そう感じた時だった。
「危ない!」
声が響いた。龍一だ。彼は光のタクトを握り閉め、頭上を示した。

「何?」
振り仰ぐと空に渦巻く闇が鋭利な刃物のように落下して来た。ハンスは男の首から手を放すと闇を避けて跳躍した。周囲では風の矢が硬いコンクリートを抉り、深い穴を開けた。
「龍一、助かりました」
「いえ、ぼくは……」
少年は自分が握り締めている物を見、それから、怯えるように闇を見つめた。不安と安堵が、その手から伝わっていく。
浅葱は闘争心を燃やすように身体を震わせ、再び炎を噴出させた。
「ああ……」
炎の風が花びらのように散る。
その火が龍一の手を掠める。たちまちタクトを落としそうになるその手をハンスが掴んだ。

「これは直人のタクトだね?」
目を瞑ったまま龍一が頷く。
「そう。大丈夫だ。何も怖いものはない」
そして、龍一の手首を掴むと勢いよくタクトを振り、男に向かって突きつけた。闇から光へ……。風は男の身体から放たれる闇を消し、炎を消した。腕の中で崩れるように倒れる龍一。その身体をそっと寝かせ、ハンスは浅葱を追った。そして、再び、その手で男の首を捕らえた。
「今度は容赦しないよ」

「止めてください」
突然、背後の闇の中から声がした。それは知っている声だった。しかし、ハンスは振り向かなかった。
「何故庇う?」
浅葱から目を逸らさずに問う。
「それは僕の兄さんなんです」
武本が言った。闇の中に感じた気配はその男だったのだ。
「お願いです。兄を許してやってください」
武本は手を付いた。

「何故?」
「彼は病気なんです。自分でもやっている事の善悪の区別がつかないんです。だから、鍵の付いた部屋で治療を受けていました。でも、ちょっと目を離した隙にいなくなってしまって……。ずっと探していたんです」
「でも、被害が出ているんだ」
ハンスは目を合わせずに言った。
「わかっています。とても謝って済む事ではないと……。でも、僕には大切な人なんです。唯一、僕を理解し、優しくしてくれたのが浅葱兄さんでした。あの頃はとても穏やかで優しい人だったのです。僕にとってはただ一人の信用出来る人。お願いです。そんな兄さんを助けて……。僕から兄さんを取り上げないでください。お願いします」
ハンスは俯いたまま言った。
「僕にも兄が一人います。君の気持ちはわかります。でも、彼は制裁を受けなければならない」
それを聞いて武本は肩を落として項垂れた。

「だから、今度はきちんと管理して治療してください」
ハンスが立ち上がって武本を見た。
「それじゃあ……」
「言ったでしょう? 僕にも兄がいると……。大切な人です。いつまでそうしていられるかはわからないけど……」
消防車のサイレンが近づいていた。
「もう火は消えたのです」
そう言うとハンスは浅葱から離れて龍一の所へ向かった。そして、意識のない少年の身体を抱える。
「可哀想に……」
駐車場のライトが点灯し、彼らを照らした。それは閃く光の白い花びらのようだった。
「みんな、何かの闇に括られているんだ」
そして、歩き出す。
「それは、何処に導いているのだろう」
少年の白い顔を見つめ彼は闇の中に歩いて行った。

Fin.