星空チャンネル 共通世界観紹介



科学と心は双生児
はるか昔 湖の底で ともに生まれた双生児

輪廻をつづける2つの魂は
創造と破壊の役を交互に引き受けながら
時に愛し合い 時には敵意に燃えて相向かう
その戦いは 永遠に終わることがない



「星空チャンネル」の同じチャンネルに置かれた作品群は、人物や出来事が密接に関係し合っています。さらに、すべてのチャンネルは、時代や場所、あるいは超常現象を名指す言葉≠アそ異なるものの、実は基本的にひとつの宇宙を浮かび上がらせています。やがては表裏合わせて6つのフィールドへと分化したドラマの中で、それぞれが未来の行方・過去の空白などを照射し合う予定です。 このページでは、おのおのが単発作品となっている本編の位置づけを確認できるように、星野・鱗手がイメージしている世界観・設定を順次紹介します。   (設定:星野あざみ、文責:鱗手オキル)
1 西暦・21世紀編(能力者サイド) :Channel EMERALD-SKY
❶ 西暦・21世紀編(能力者サイド) :Channel DARK-SKY
2 西暦・21世紀編(非能力者サイド):Channel MILKY-SKY
❷ ヨコ軸メタレベル(21世紀周辺) :Channel KINEMATIC-SKY
3 タテ軸メタレベル(宇宙歴5世紀) :Channel COSMO-SKY
❸ 完全形メタレベル(ブルーノート) :Channel GLASS-SKY

21世紀、彼らが「風」と呼んでいるもの

ガイスト(Geist)」――「霊的存在/精神」を意味するドイツ語。
その語源は、「流れるもの」「風」である。
「風」は過去の記憶を運び、歴史を再現する力をもっている。人はそれを不可避な運命や自然と見なし、多くの場合、意識的にガイストと接触することはない。

しかし、中には大多数の人々とはちがった仕方で、ガイストに干渉する力をもった者たちがいる。それを見る 者、それを狩る 者、それを浄化する 者、それを操る 者。彼らは時に超能力者と呼称され、あるいは霊能力者と同一視される。彼らはつねに異端者であった。

そして、今、彼らに大きな転機が訪れようとしていた。

近代以降、「ガイスト」の学術的な概念化とともに、特殊能力者をリクルートした組織的活動が世界各地で起こり始める。彼らはヨーロッパにおいては「風の能力者」と呼称されており、特に積極的に研究が進んでいるドイツでは、公的に「風の狩人 」が組織されている。一方、そのスポンサーともいえる世界的大企業「グルド 」やテロ組織「レッドウルフ 」などによって、能力者は闇社会においても暗黙に利用されている。彼らの存在は一般にはまだ広く知られてはいない。また、能力者を政治的に利用するケースも現れつつあり、公的なものとしては、軍事利用のためにより緻密に組織化された、アメリカの「MGS 」がある。また、権力者が能力者をプライベートに利用する場合もある。日本においては一部の政治家によって、擬似家族集団「闇の民 」が組織されている。
4 宇宙歴・5世紀編――Channel COSMO-SKY
宇宙暦開始以後の繁栄と荒廃

人類の科学技術は飛躍的進化を続けた。2129年における、短距離ワープ機関「ショートドライブシステム」が開発された。それにつづく実践型遠距離ワープシステムの誕生によって、人類が初めて太陽系を離脱した西暦2191年を宇宙暦元年とし、加速度的な宇宙開拓が進められた。宇宙暦3世紀までには銀河系の辺境にある惑星をテラフォーミングすることさえ可能になった。

宇宙暦350年、銀河連邦政府 が樹立し、統一的秩序がもたらされ、犯罪者は辺境惑星へと容赦なく流刑されるようになった。いわゆる「開発の時代 」が終わり、見かけ上の自由主義が台頭する「商業の時代 」となった。惑星によっては特定の目的に特化した開発が施されているものもあり、たとえばエリート育成のための教育機関をもつ惑星ルチーナクロス や、娯楽・歓楽目的の惑星ピガロス など、ある特定のコンセプトによって開発計画が進められている惑星も多い。

そして、時は宇宙暦5世紀半ば。かつて宇宙開発に貢献した大企業「GOD 」を中心とするコンツェルンはあらゆる産業を支配していた。銀河連邦政府さえも自らの傀儡とし、彼らは実質的な政治的権力を握っていた。彼らにとって不都合な者は次々と処刑・流刑されていった。華やかな繁栄とは裏腹に、汚職や海賊行為が横行し、エリートたちのあいだには極端な功利主義が蔓延しており、大多数を占める下層の人々は疲弊しきっていた。